患者さんと
ご家族へのインタビュー
〜血友病と生きる
私たちのいろんな気持ち〜
血友病の患者会で出会った友だちに支えられ、治療をはじめ、いろいろなことにチャレンジできるように。-C君(中学生)とお母さん(5/5)
ボーイスカウトで教えてもらった「人を助けることの大切さ」。
誰かに助けてもらったり、支えてもらったりしたら、
同じようにお返しするのが当たり前だと思う。(C君)
また、ボーイスカウトでは人を助けることの大切さを教えてもらい、僕は、誰かに助けてもらったり、支えてもらったりしたら、必ずそのお返しをしようと思うようになりました。
5年生の冬にオーバーナイトハイクに参加したのですが、途中から寒さと疲れで、「もう、だめだ〜。歩けない」と体力的にも、気力的にもリタイア寸前の状況になりました。すると、中学1年生の先輩たちが、自分の荷物だけでも重たいのに、僕の荷物を交代しながら持ってくれて、僕を励ましてくれました。
こんな経験があったので、5年生の3月のお別れ遠足の時に、疲れからか、みんなから遅れがちだった友だちのカバンを持って、励ましながら一緒に最後まで歩きました。それを見ていた担任の先生は僕のことを褒めてくれて、お母さんにもそのことをうれしそうに報告したそうです。ただ、僕も同じようなことをボーイスカウトの先輩にやってもらったので、そうすることは僕にとって当たり前のことだと思っています。
今は、主治医の先生から頼まれて、お母さんと一緒に、血友病と診断された小さい子どもとその家族に会いにいくことがあります。先日は近所だったので、僕とお母さんは自転車に乗って家族に会いにいきました。すると、その子のお母さんが、「血友病でも、自転車に乗れるのですか」とすごく驚かれていました。そのうち、僕の姿を見たり、話を聞いたりしているうちにほっと安心されたようでした。これからもこうした機会や患者会を通じて、あるいはボーイスカウトの活動を通じて、助け合い、支え合いながら、多くの友だちとつながっていきたいと思っています。
長い人生、つまずくこともあれば悩むこともあるので、
病気であることを隠すよりも、
信用できる人には話した方がいいと思う。
心を開いて話せば、
誰かがきっと力になってくれるから。(お母さん)
今は血友病の治療法が発達し、定期補充療法や予備的補充療法を行っていれば、健康な人と同じように生活できるので、あえて子どもが病気であることを言わなくても済むかもしれません。「病気であることを隠しておきたい」という気持ちも分からないわけではありません。
ただ私は、保育所や小学校の先生、ボーイスカウトの団委員長や隊長、リーダークラスの人には、息子がどんな性格で、これまでどんなことがあったかを含めて、病気のことを話してきました。やはり、長い人生、つまずくこともあれば悩むこともあるので、そんなときは1人でがんばらず、誰かにいてもらえると心強いものです。私たち親子がそうであるように、信用できる誰かに心を開いて話すことで、深くつながり、支え合えば、いろいろなことができることをお伝えしたいと思います。