患者さんと
ご家族へのインタビュー
〜血友病と生きる
私たちのいろんな気持ち〜
最初は怖かった自己注射。でも、頑張ればできるし、体調を管理して、いろんなことをやってみたい。ーB君(中学生)とお母さん(1/4)
生後6カ月頃、血友病と診断。
毎日が不安で、不安で、ずっと泣いていた(お母さん)
息子が生後6カ月頃、腕のところに指の跡のようなアザらしきものができました。最初は、そのうち消えるだろうと思っていたのですが、なかなか消えなかったので少し心配になり、病院へ連れて行きました。すると、すぐに血液検査を受けることになり、症状や検査結果をみた主治医の先生から血友病であることを知らされ、「このまま帰ると危険だから、入院するように」と言われました。
入院中も退院後も、先生は私の気持ちに配慮しながら、息子の病気について、具体的に丁寧に繰り返し説明してくださいました。しかし、最初の頃は、毎日が不安で、不安で、ずっと泣いていました。
先生からいただいた冊子には、他の患者さんや家族の体験談が書かれており、読んでは、「そうよ、それそれ。うちの子と同じ」と、1人でつぶやいては泣き……。週2回、凝固因子の定期補充療法のために病院に通っていたのですが、それ以外にも、「頭を少しぶつけた」「ちょっと高いところから飛び降りた」などの時には、心配で、すぐに病院に連れて行きました。夜中に救急外来に飛び込んだこともあります。
先生の丁寧な説明と優しさに支えられ、家庭療法が始まった頃から、不安がやわらいできた(お母さん)
血友病だと診断されて以来、週に2回、定期補充療法のために通院していた頃は、数えきれないくらい、病院に電話したり受診したりしました。そんな時、いつも先生は病状や予後を分かりやすく説明してくださるだけでなく、私の気持ちを受けとめてくれ、「大丈夫だから。安心して」「何かあればすぐに電話してきて。心配なら、いつでも病院に来ていいから」と言ってくれ、心が救われたことを覚えています。
やがて、定期補充療法が通院から家庭療法に切り替わりました。当初は、私が息子にうまく注射することができず、特に寒い日などは血管が見えづらく、3〜4回失敗して、結局、病院に駆け込み、看護師さんに注射してもらうということもありました。そのうち、私も息子にうまく注射できるようになり、「息子に何かあった時は、私がすぐに対応できる」と思えるようになりました。その頃から、私の気持ちがずいぶんと落ち着いてきました。