凝血・凝固カスケード(Clotting Cascade・Coagulation Cascade)

凝血・凝固カスケード(Clotting Cascade・Coagulation Cascade)とは

凝血・凝固カスケードは、凝固因子が協力して凝血塊を形成するのに必要なフィブリンを産生するまでの一連の流れのことを指します。

血液は静脈、動脈、毛細血管などの血管と呼ばれる管を通って体中を巡ります。血管が損傷を受けたとき(怪我をした時)、血液が流れ出ます。引っかいたり傷つけたりして、損傷が体の外側で起きた場合は、血が流れ出るのを見ることができます。しかし、これは体の中でも起こり得ることで、その場合外から出血は見られません。しかし出血が見えても見えなくても体は出血を止めて血管を修復しなければなりません。

修復プロセスの第1段階は血管の収縮です。
これによって流血を減少させることができます。
それから第2段階として血液に含まれる血小板が傷口に急速に集まってきて応急の栓の役目を果たします。
しかし、この応急の栓は2〜3時間しかもたないので、通常はもっと強力な栓が必要になります。

血液の正常な凝固は複数の凝固因子に依存しています。凝固因子の大部分はタンパクで、異なった濃度で血液中を循環しています。このタンパク因子には名前がつけられ、あるいは、特定の数字がつけられています。第3段階はこの因子が強力なタンパクの糸(フィブリンと呼ばれている)を作り、血小板の栓を覆う網を織りなします。この網はフィブリン凝塊と呼ばれています。このフィブリン凝塊が出血を止めると、体は損傷した血管を修復することができます。血管が修復されると、フィブリン凝塊は体内に吸収されるか、またはかさぶたとなって外部にはがれ落ちます。

上に述べた最初の2段階は、血友病の有無にかかわらず同じです。
損傷を受けた血管が収縮し、血小板がくっついて栓となります。
しかし、血友病患者さんでは強力なフィブリン凝塊をつくるための凝固因子が血液中に足りないので、第3段階がうまく起こりません。
凝固因子が十分にないとフィブリン凝塊ができないか、あるいはできたとしても薄いので出血を止められません。血友病患者さんは出血が速いのではなく、ただ出血が長く続くのです。

血友病患者さんに欠けている凝固因子は第VIII因子か第IX因子です。どちらが欠けているかによってそのひとの血友病の型が決まります。第VIII因子が欠損していると血友病Aと呼ばれ、第IX因子が欠損していると血友病Bと呼ばれます。

Clotting Cascade

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