血友病関節症による疼痛、機能障害
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消炎鎮痛剤
凝固因子製剤の定期輸注
装具装着
リハビリテーション
↓
滑膜切除術
人工関節置換術
関節内出血による慢性的な関節障害(血友病関節症)は凝固因子製剤の進歩と在宅自己注射療法の導入により、特に若年者において減少しています。
幼児期から定期補充療法を行えば、全く関節障害を起こさずに成長過程を過ごすことも可能です。一方、多くの成人の血友病患者では、もうすでに複数の関節障害が発生しています。
血友病関節症による痛みや機能障害の一部は、痛み止め(消炎鎮痛剤)の投与、凝固因子製剤の定期輸注、リハビリテーション、装具装着などにより改善する場合もあります。しかし、これらの処置により改善しない場合は整形外科的治療の適応を考える必要があります。
血友病の整形外科的治療には滑膜切除術、人工関節置換術などがあり、前者は出血しやすくなった滑膜を取り除くことによって出血回数を減らし、関節症への進行を遅らせることが主な目的となり、後者は慢性関節障害に伴う痛みの緩和と、生活の質の改善が主な目的となります。
参考:
- 血友病基礎講座(兵庫医科大学 日笠 聡)