患者さんと
ご家族へのインタビュー
〜血友病と生きる
私たちのいろんな気持ち〜
血友病であることを言い訳にして過ごしたくない。-望月優希さん(美容師)(3/4)
最初は気が進まなかった患者会。
親になって心境が変化してきた。
患者会の行事やサマーキャンプに行く機会は、これまであまりありませんでした。誘われることはありますが、仕事柄、土曜日や日曜日を休みにすることが難しくて、なかなか行けなかったんです。そうした行事で、薬のこととか日常生活のこととか、いろいろな情報が得られるので、参加したいとは思っています。
患者会には同じような悩みをもつ方がいるでしょうし、お子さんも、注射の仕方や学校での運動の制限などに悩んでいるかもしれません。もし、自分がこれまで経験してきたことがみんなの参考になるのなら、協力していきたいと思う気持ちは強いですね。また、普通に生きていけるんだよ、ということも伝えたいと思っています。
昔はそれほど参加したいとは思わなかったんです。誘われても「いいです」と断ることのほうが多かったと思います。でも、結婚して子供が生まれてから、だんだん考えも変わってきました。子供を見て、自分もしっかりしなければと思うようになった感じですね。
高校生ぐらいのときだったかな。通っていた病院の先生に、同じ血友病の男性が結婚式の招待状を持ってきたところを見たことがあるんです。すごく格好いいお兄さんだったんですが、その人を見て、自分も結婚できるんだなと、明るい気持ちになったことを思い出します。血友病の子供さんたちが、成長した人の姿を見て感じることもあるでしょうし、そういうお手本に自分もなれたらいいですね。
情報を得ることも必要だけど、自分の経験を大切にする。
血友病の情報についてですが、ネットで目にした情報などはあてにならないものも多いですよね。それが本当かどうかは、身をもって体験しなければわからないこともあります。スポーツもそうだけど、やっては駄目と言われても駄目な範囲があるはずで、それは本人しかわからないことだと思うんです。自分で何でも試してみて、感じて、それでよければいい、駄目だったら次からは控えていく、という姿勢が必要だと思います。情報も大事だけど、それを鵜呑みにはせず、自分で体験しながら、いろいろなことを判断することが大切です。
納得がいかなければとことん調べることも必要ですね。自分の場合は、成人した際、窓口で突然自己負担を求められて驚き、あわてて血友病医療費補助制度のことをよく調べました。また、家を建てたいと思って、血友病でも団体信用生命保険(団信)に加入できるのかどうかについて勉強しました。普段どおりの生活をしていても、やはり血友病は病気ですから、将来の不安もあるし、経済的な問題もあります。でも他人任せにはせず、自分から行動して情報を得ることが大切だと考えています。