患者さんと
ご家族へのインタビュー
〜血友病と生きる
私たちのいろんな気持ち〜

小さい頃は出血して入院を繰り返していたが、今では定期補充療法により出血もなく、充実した日々を過ごす。ー江端 隆寿 さん(社会人)(3/3)

自分で一歩を踏み出そうとすれば、必ず素敵な出会いがある
患者さんの心に寄り添える歯科医をめざして頑張りたい

自分自身のこれまでを振り返ってみると、一歩を踏み出そうとした時には必ず素敵な出会いがありました。中学3年生の時は、頭蓋内出血のため私立高校しか受験できず、そこへも1カ月遅れで通学することになりました。しかし、男子校だったこともあって、遅れて入学してきた私のことを周りがすんなりと受け入れてくれて、楽しい高校生活を送れましたし、その高校だったからこそ、大学の推薦ももらえたように思います。

大学では周りに優秀な友達が多かったこともあり、それにひっぱられて勉強し、留年することも、国試浪人することもなく、歯科医師になることができました。北海道大学の歯周・歯肉療法学教室に入局し、4年間、歯周病を学んだ後、知り合いの先生に紹介してもらった歯科医院で妻と出会いました。

実は、私は独身の時、自己注射を忘れてしまうことが多かったのですが、妻がしっかりしているので、結婚後は忘れることはほとんどなくなりました。最近、太り気味で、主治医から「足の関節に負担がかかるので、体重を落とすように」と言われているのですが、それについても妻と二人三脚で頑張っています。

今の勤務先である歯科医院には、2009年8月から勤めています。決まった勤務先もなくアルバイトで歯科医師をしていた頃、同じく歯科医師をしているいとこから勉強会の誘いを受け参加したときに、同院の理事長に出会ったことがきっかけでした。

この歯科医院は設備環境が整っており、最新技術・最新機器を用いて、口腔内に関する治療をオールマイティーに行っています。特筆すべきことは、歯周病の治療にしろ、かみ合わせの治療にしろ、全身の健康を良くしたいと考えて実践している点です。ここに勤務してからの4年間でさまざまなことを学びました。

今はこの歯科医院で私の強み——「血友病という病気を持っているからこそ感じられる患者さんの辛さや悩み」を生かし、患者さんの心に寄り添いながら、歯科医師としての腕を磨いていきたいと考えています。いつか、何かをしようと一歩踏み出したときには、必ず良い出会いがあることを信じて……。