第1回 患者会インタビュー
〜ヘモフィリア友の会 全国ネットワーク(2/4)
当初は全国の20の患者会が参加していましたが、現在は26団体が加盟しています(表2)。
森戸2000年以降は、凝固因子製剤も進歩しましたし、治療環境もよくなって、薬害エイズのような問題は起こらなくなっていましたが、一部の凝固因子製剤の欠品あるいは回収といった問題がありましたし、医療費の公費負担の見直しという問題も生じていました。そうしたことは単独の患者会で解決できる問題ではありませんので、血友病部会の懇談会に集まるメンバーのなかでも全国組織が必要との意見が高まり、有志によって設立への動きが加速したということもありました。
佐野以前の全国組織とは異なる性格をもった団体といえますね。この全国ネットワークはあくまで地域の患者会の活動をサポートするものであり、上意下達式の組織ではなく、それぞれの会の独立性、独自性を尊重し、各患者会を横断する緩やかな連絡体とすべきであるという趣旨で存在しています。手探りをしながら運営しているという感じではありますが、患者会同士がよい形で連携できる組織をめざしています。
―――現在、どのような活動をなさっているのでしょうか。
佐野やはり、医療制度の問題など、患者個人のレベルではどうにもならないことについて患者会の意見を吸い上げ、国に意見を述べたり、要望を出したりすることが重要な活動だと考えています。これまでの例でいえば、C型肝炎問題について厚生労働省との話し合いを行ったり、薬価が大幅に引き上げられた凝固因子製剤に関してその経緯と今後の対応などについて情報を集約したりするなどの活動を行ってきました。
最近問題になった小児慢性特定疾患の見直しについても、患者会の考えを伝える役割を果たしています。もともとが、日本血栓止血学会との連携のなかでできてきた組織でもありますし、その意味でも、今後も医療者の方々と連携を取りつつ、こうした活動を続けていきたいと考えています。
また、さまざまな方法で患者さんへの情報提供や一般の方への啓発も行っています。2年に1回開催している全国ヘモフィリアフォーラムはその最も大きな事業の1つといえますね。
表2 ヘモフィリア友の会全国ネットワーク加盟患者会(2014年12月現在)
北海道・東北地区
- 北海道ヘモフィリア友の会
- 岩手ヘモヒリー友の会
- 東北ヘモフィリア友の会
関東・甲信越地区
- つつじの会(栃木血友病友の会)
- 埼玉ヘモフィリア友の会(埼友会)
- むさしのヘモフィリア友の会
- 神奈川へモフィリア友の会(神友会)
- フルハートの会
- 千葉ヘモフィリア友の会
東海・北陸地区
- 静岡県ヘモフィリア友の会(静友会)
- 岐友会(岐阜ヘモフィリア友の会)
- 鶴友会(愛知県血友病患者会)
- 栄友会(三重県ヘモフィリア友の会)
- 桜友会(富山県血友病友の会)
近畿地区
- 湖友会(滋賀ヘモフィリア友の会)
- 洛友会(京都ヘモフィリア友の会)
- 大阪ヘモフィリア友の会
- 兵庫県ヘモフィリア友の会
- 万葉友の会(ヘモフィリア)
- 和歌山ヘモフィリア友の会
中国・四国地区
- 広島県ヘモフィリア友の会(広友会)
- 山口県ヘモフィリア友の会(山友会)
- 山陰梨花の会
- 愛媛県血友病友の会(媛友会)
九州地区
- 福岡県ヘモフィリア友の会(福友会)
- 大分県ヘモフィリア友の会(分友会)
以上26団体